【ライブメガネと温故知新】

こんにちは!今日も、ネットで見かけたニュースを題材にしたお話です。

『「背が低くてもライブ楽しめるグッズ」が話題』(ナリナリドットコム)

「背の低い人がライブなどをより楽しめるように」と発明されたグッズが話題を呼んでいる。
クリエイターであるドミニク・ウィルコックス氏が、マイクロソフトの展示会に参加し、日常的な問題を解決するというお題に挑戦。小柄な女性の「ライブで踊りながらバンドを見たい」という希望を叶えるために、特殊な眼鏡を制作した。
原理としては、反射鏡などを利用して視点の位置を変える、いわゆる潜望鏡で、目新しいものではないが、メガネタイプの特徴あるデザインで多くのメディアに取り上げられることに。
ネットでは「懐かしい。子どもの頃のスパイグッズを思い出す」「21世紀になったのに」「今度は後ろの人から見づらいと怒られるだけ」「映画館とかで使いたいかも」といった声が上がっている。

-ニュース記事より

皆様は満員のアリーナ席で、音楽ライブを楽しんだことはおありでしょうか。
僕は残念ながらそういった経験は殆どないのですが、日常の中で似たようなシチュエーションに置かれて困った、ということは多々あります。
例えば、大混雑の水族館で。例えば、人でごった返す街中で誰かと待ち合わせする時に。
高身長とは言えない僕(身長171cm)は、人混みの中では”埋もれてしまう人”の部類に入ります。
そんな時に、「あぁ、もう少し身長が高ければなぁ、」「目がもっと高いところについていればなぁ」という気持ちになったことがある方は、少なくないはずです。

冒頭で紹介したニュースは、「そんな悩みを解消できるグッズができたよ!」というものですが、このコラムの中でお話ししたいことは、「今後、佐藤はこの眼鏡をフル活用していきます!」という決意表明でも、「皆さんはこの眼鏡、どう思いますか?」というアンケートでもありません。
注目したいのは、ニュース記事の中の“原理としては、反射鏡などを利用して視点の位置を変える、いわゆる潜望鏡で、目新しいものではない”という部分です。
潜望鏡といえば、潜水艦が海面上にヒョコっと突き出して周りの状況を伺う、アレですね。
(よくわからない人のための参考画像はこちら!)
昔から存在したこの潜望鏡ですが、使う場面や目的、形状に若干のアレンジを加えることによって、”新しいライブグッズ”としていわば再誕生したわけです。


一旦話は脱線しますが、先日の塾舎でのお話です。
ある生徒さんから『温故知新ってどんな意味?』と、クイズを出されました。

おんこちしん【温故知新】
以前学んだことや、昔の事柄を今また調べなおしたり考えなおしたりして、新たに新しい道理や知識を探り当てること。

-学研 四字辞典熟語より

今、対策を講じるのに大忙し!の期末テストで、この四字熟語を含む、孔子の論語が出題範囲となっているようでした。
幸い僕も中学生の頃、生徒さんと同様に論語を学んでいたため回答に窮することはなく、ホッとした。というお話です。


『背が低くてもライブ楽しめる〜』のニュース記事を見たとき、はじめに僕の頭に浮かんだのがこの、”温故知新”という言葉でした。
もともとあった潜望鏡(故)からヒントを得て(温)、ライブメガネ(新)が生み出されること(知)って、この”ライブメガネ”以外にも、よくあることではないでしょうか?
そして過去や経験、元々ある知識からヒントを得ることができるかどうかって、上手に生きていけるか、楽しく生きていけるか、というところに遠からず繋がっている気がします。
何か判断を迫られた時、課題を解決したい時、自分の過去からヒントを得て立ち向かうのか、ゼロからの戦いを挑むのかによって、結果は大きく変わるはずです。

過去記事【”勉強”って、なんなん?】で似たお話をしましたが、僕は、学校や塾で行う勉強もこの、”温故知新”を上手く行うためのトレーニングだと思っています。
もちろん、いつでも過去にヒントがあるわけではなく、全く新しい知識の獲得を求められる場面もありますが、
大抵は、過去に学んだこと(故)を上手く整理し活用する(温)ことで、いま学ぼうとしているモノ(新)を理解すること(知)は、格段に簡単になります。

生徒さんからは時々「先生、なんでこんなに勉強しないといけないの?」と疑問の声が上がります。
その時にしっかり”温故知新”の大切さ、効能、価値、メリット…なんでも良いのですがとにかく、「上手に”温故知新”できるようになるためだ」という”僕なりの答え”を伝えることが、『先生』と呼ばれる自分の、一番大切な役目であると考えています。
“人生”なんて大きな話を抜きにしても、「なんで勉強しないといけないの?」に対して心から納得できる自分なりの答えを持つこと。それが成績アップの一番の近道だ。とも思います。

それらを十人十色の生徒さんそれぞれへ上手く伝えるため、講師陣も常に知識を増やし、上手く使う(温故)訓練をしておかなければ、と感じさせられた、”ライブメガネ”のお話でした。

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