ゾゾスーツ,ギャル,わかりにくい授業

こんにちは。
突然ですが、先月世間を賑わせたこんなニュース、覚えていらっしゃいますでしょうか?

『ZOZO前澤社長が辞任を表明 剛力彩芽との交際どうなる』

『ZOZO』の前澤社長が退任されるというニュースで、その後に報道された新会社設立のニュースも、大きな話題となりました。

『ZOZO』の製品といえば、『ZOZOSUIT』が記憶に新しいのではないでしょうか。
「全身タイツのような専用ボディスーツとスマホを使って体型を測定することで、自分にぴったりなスーツが作れる」という革新的な製品です。

大きな洋服屋さんと『ゾゾスーツ』

ここで一度、大きな洋服屋さんを想像してみてほしいんです。
お店はある程度広くて、値段は高すぎない良心的な設定になっています。
そこにはたくさんの種類の洋服が売っていますが、基本的にはサイズはS,M,L,XLという風に分かれており、その中から自分の体型に一番近いものを選んで買うことになります。

例えば僕の体型に寸分狂いなく合わせた”佐藤仕様”や、きゃりーぱみゅぱみゅにぴったりな”ぱみゅぱみゅ仕様”といった売られ方はしていません。その理由は単純で、“佐藤仕様”は佐藤にはぴったりでも、他の誰かには全くフィットしないからです。

体型の異なる大勢の人々をお客とする服屋さんは、「佐藤にだけ100%ぴったり」な”佐藤仕様”には見向きもせず、S,M,L,XLといった大まかな分け方で服を作り、「みんなに80%くらいフィットする」洋服を販売します。

そしてそれと違って、冒頭ご紹介した『ゾゾスーツ』やオーダーメイド方式のお店は、一人ひとりに100%フィットした洋服を作ることを目指しています。

これはどちらが良い悪いということではなく、どんな人に、どうやってモノを売るのかによって、必要とされるもの、求められるものが違ってくるよ。というお話です。

「学校の授業がわかりにくい」理由

時折、塾生さんから「学校の先生の授業がわかりにくい!」というご相談を受けることがあります。

以前のコラムでも触れたのですが、誰にでも、学校の先生や塾の先生、あるいは友達にでも勉強を教わっている時に、「あの人の説明はわかりやすいけど、この人のはわかりにくい!」なんて感じられたことがあると思います。
そんな時に大きな問題になっているのは、実は教え手の理解度や賢さ、経験値などではなくて、教え手と教わり手の間に”共通言語”があるかどうか。もっと噛み砕いて言えば、言葉づかいが似ていたり、共通の趣味があったり、過去に同じつまづきを経験しているかどうか、だったりします。

要するに「わかりにくい説明」というのは、教わり手が自分の言葉やイメージとして頭に残しづらい、つまり教わり手にぴったりとフィットしていない形で、漠然と投げかけられている説明なのだと思います。


記事を一部省略しています

実は今回の記事、過去のコラムの中で最長なのです。
ちょっと長すぎるかな?とも思ったので、
『ギャルにモノを伝えたければ、ギャル語訳』
『ギャル語で授業をするわけにはいかない』
の2項目を省略してページ表示しています。
もし宜しければ▼をクリックして、この2項目も読んでみてくださいね!


全体授業がわかりにくいなら、質問や個別指導

この「わかりにくい!」を感じた時にまず活用して欲しいのが、授業外での先生への質問や、高志塾の個別学習指導です。
これらの場では大勢を対象とする授業とは異なり、質問をしに来た生徒さん一人だけに伝わりやすいように、いわば”オーダーメイド”の解説をしてもらえるはずです。
「Aさんの趣味は○○で、知識が豊富な分野は□□だから、こんな説明の仕方をしたらわかりやすいだろうな」と、Aさんの頭に入り込みやすく粘り付きやすいであろう”Aさん仕様”の解説を作るわけですね。

100万人のために作られたMサイズのシャツよりも自分専用の『ゾゾスーツ』が体にぴったりフィットするように、“誰にでも合う授業”よりも”自分専用の解説”の方がわかりやすいに決まっているんです。

また、”自分専用の解説”をより自分に合ったものにするためには、「教え手が皆さんのことをよくわかってくれている」という状況を作ることが大切です。
『ゾゾスーツ』やオーダーメイド方式でも、まずはしっかりと体を採寸してスーツ作りの為の情報を整理するのと同じように、教え手に皆さんにぴったりな授業を作る為の情報を持たせることが重要なのだと思います。
例えば趣味とか、最近読んだ本、好きな言葉、よく聞く音楽などなど。
もちろん他の生徒さんの迷惑となる学習時間中・教室内での私語は以ての外ですが、休憩時間や、勉強が終わって帰るまでのちょっとした時間で、皆さんのことを色々教えて下さいね。

学校の授業で”自分語訳”

ここまでは、学校の一斉授業は「大きな洋服屋さん」、個別での質問や塾の個別指導は『ゾゾスーツ』に見立てて、「学校の授業がわかりにくいなら、塾で聞けば良いじゃない。」というお話をしてきました。

とはいえ、毎日受ける学校の授業。「わかりにくい!」まま諦めてしまうのではやっぱり勿体無い。

ということで、全体授業の受け方について、僕なりのオススメを一つ、お伝えしておきますね!

それは、授業のノートを取るときに黒板を写すのではなく、全部を自分の言葉で書くようにすることです。

例えば「リアス式海岸」について書くときに、「せまい湾が複雑に入り込んだ海岸」と書く必要って、無いと思うんです。
これを頭の中に残すときには、きっと「デコボコした」「ギザギザ」といったイメージに変換するはずなので、ノートにも最初から「デコボコ」「ギザギザ」と書いてしまえばいい。
(最近人気の『霜降り明星』さんのネタの中にも登場するワードなので、「粗品」「霜降り」なんか書き添えても良いかもしれません。)
要は、言われたこと、書かれたことを一旦、自分の馴染みのある言葉、”自分語”に直してみましょうというお話です。

この”自分語訳”は、その事柄についてある程度理解をしなければできない作業ですから、ノートを書いている最中にも脳みそは、理解を進めようと一生懸命頑張ります。きっと、単にノートを丸写ししている時よりもよっぽど脳みそが疲れることを実感できるはずです。
そして、授業の終わりでも、1日の終わりでも構いませんので、ノートを見返してみましょう。全体の中、”自分語”で書けている部分は、どれくらいあるでしょうか。

“自分語訳”が出来ていない部分が多くあるのならば、それはどうやら、その場ではうまく理解できていない証拠です。要注意ポイントとして、その日の晩や次の日、一週間後に振り返ってみましょう!

(ちなみに僕は自分の字が汚すぎてノートを書くのをやめたダメ人間なので、大抵はこの”自分語訳”を教科書に直接書き込むか、頭の中で考えるかしてました。でもやっぱり、後から見返して”自分語訳”を採点できるという点で、ちゃんとノートに書いておくのがより良いのだと思います。)

最後に

寄り道がとてもとても長くなりましたが、今回のコラムで一番伝えたかったのは、この“自分語訳”をする力を身につけることの大切さです。
これをスーツに例えて言えば、「大きな洋服屋」で買った、みんなにある程度似合うMサイズのスーツを、自分にぴったりフィットするように改造するようなものです。

残念ながら(『ゾゾスーツ』のような、”自分専用”を作ることに重点を置いたモノを除いて)世の中のものは大抵、”あなた専用”には作られていません。
学校の授業も、大学の受験要項も、ゲームの説明書も、将来やってみたい仕事の紹介文も、みんなが面白いと言っている映画も、ベストセラーの本も、法律も、大抵はみんなにとって程々にわかりやすく(またはみんなにとってわかりにくく)作られています。

そういうモノと向き合った時に、”みんな仕様”のまま無理やり飲み込むのではなく、“自分語訳”をして自分に理解しやすく記憶に残りやすい形にすることによって、世の中はグッとわかりやすく生きやすく、グッと楽しくなるはずです。

だから、学校の授業を「わかりにくい!」と放り出してしまわずに、ちょっと頑張って”自分語訳”の練習をしてみましょう!

“自分語訳”に大切なのは、そもそも自分語ってなんなのか、わかっておくことです。
好きなもの、興味があること、よく使う言葉、どんなものがあるでしょう。
時々見つめ直してみるのも良いかもしれません。

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